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蜜な時間はあなたと共に
第5章 不穏な再会と湯けむりに濡れる彼の愛

顔を真っ赤にして、いきなり右手首を掴まれ、凄い力で握られる。

「……くっ!」
「大人しく言う事を聞いてれば、そいつのスキャンダルも守れて、気持ちいい事出来たのに…君の顔をモザイク無しで週刊誌に載せてもらっても良いんだぞ?顔を知られたら、色々危ないんじゃないのか?」
「う、ううっ…」

スマホを取られないよう必死に抵抗すれば、更に力を込めて握られる…
もうこの人には、何を言っても無駄なんだ…
付き合ってた頃の、忙しい中で見せてくれた誠実な人柄はもう無くなったんだ…

だったら、私も今の私を見せてやる…

「気持ちいい事って言いますけど、それって何なんですか?私はあなたとしてても一度も気持ちよくなんて無かった」
「……!!」

彼はどこかへ連れて行こうとしたのか、掴んだまま歩き出そうとした。
ここまで…と思っていたら、遠くから女性の声が聞こえてきた。

「こっちです!!」

同年代の女性が数人の従業員さんを連れてこちらに走って来た。
修二さんは私を突き飛ばし、逃げようとしたが道を塞がれ、従業員の1人に連れて行かれた。



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