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蜜な時間はあなたと共に
第5章 不穏な再会と湯けむりに濡れる彼の愛

「茜さん、どないしたん!?」
「ごめんね春人、遅くなって…」
「いや、その手…」

部屋に戻るなり、心配した春人に抱き締められ、手首の怪我まで見られた。
そうだよね、忘れ物を取りに行ったのに10分以上帰ってこなかったら、心配するよね。

「コケて怪我した?」
「ううん、違うの…あの、話聞いてもらえるかな?』
「う、うん…」

「実は…お昼に私が話してた男の人…あの人元彼なの…春人と付き合う前の…」
「……あー、やっぱりかー…」
「…気付いてたの!?」
「うん、何となく様子変やったから…そうか、あの人が…」

春人には私がどういった経緯で別れたのか話してあるから、彼には良い感情は持ってないのだろう。

「その人に春人の事がバレたみたいで…さっき呼び出されたの」
「うん」
「バレた事には驚かないの?」
「んー、結構な頻度で茜さんと出掛けてるからね。誰かに見られてても仕方ないやろ?」



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