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蜜な時間はあなたと共に
第5章 不穏な再会と湯けむりに濡れる彼の愛

「忘れ物したって言うのも嘘なの…ごめんなさい」
「ええよ、正直に話してくれてありがと。何で呼び出されたん?」
「奥さんがセックスの相手してくれないから、代わりに相手をしろって…」
「最低やな…そいつ。子ども居てるんじゃないん?」
「うん…」

ヒートアップしそうだったので、冷蔵庫から冷えた緑茶を出してグラスに注いだ。

「断ったら春人の恋愛を週刊誌に売り込むって言われて…春人の仕事に影響が出るのが嫌だった…けど、断っちゃった…身体を差し出してスキャンダルを止めても春人を傷付けるのには変わりないから…」

春人の身体にもたれかかると、肩を抱き寄せてくれた。

「ありがと。俺の事色々考えてくれて…ちゃんと断ってくれて嬉しい」
「断るのは当たり前じゃない。春人が居るのに…それに不倫なんて彼氏が居なくてもしないよ」

「そうやな、別れた相手と不倫なんてアホらしいもんな」
「断ったのに食い下がってきたから『奥さんと子どもが可哀想』だって叫んだら、キレられてこうなったの」

右腕を挙げると、春人はムッとして手首をさすってくれた。



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