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蜜な時間はあなたと共に
第2章 スーツ姿でデート

「俺ちょっと買いたいもんあるから、待っといて」
「うん」
私も何か本を買おうと小説コーナーに向かうと、正面に見覚えのある本が沢山積まれてあった。
「この小説映画化するんだ」
それは3年前に発売されベストセラーとなった小説。
偶然タイムリープの力を得た主人公が、将来大切な恋人が亡くなると知り、タイムリープを利用して死の原因を解明し、未来を変えようとするストーリー。
主人公の深い愛情や、未来を変える事で他の人物に影響を与えてしまう事への葛藤など、内面まで丁寧な描写で描かれた胸に迫る作品だ。
男性ファッション誌を片手に春人が来て、小説を覗き込んだ。
「これって3年前凄い流行った小説やろ?俺読んだ事無いな…どんな小説なん?」
「私これ持ってるから今度貸すね。それで読んでみて。今度映画化するんだよ」
「ふーん…面白そうやな…公開されたら、休みの日に映画館に観に行く?」
「え?」
「映画館やったら、暗いから俺やってバレへんやろ?」

