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第7章 不安を溶かして…

「うん、ありがとう…」

遠藤さんからの謝罪と会話によって、春人と向き合う気持ちが固まった。
後は私が変に拗らせなければ大丈夫…

事務所を後にすると、涼介さんが家まで送ると言ってくれたので、自宅付近の駅まで送ってもらう事に。
隣で遠慮がちに身体を小さくして座る遠藤さんに声を掛けた。

「遠藤さん、会いに来てくれてありがとう」
「えっ!?」
「彼にキスした相手が謝りに来た事に最初は戸惑ったけど、話してみたら悪気があってしたわけじゃないってよく分かったよ。お酒のせいとか理由を誤魔化さずに話してくれて、いい人なんだって伝わってきた」

まさか私から感謝されると思ってなかったのか、遠藤さんの声が震えだす。

「彼女さん…」
「遠藤さんも今回の事はもう気にしない方が良いよ。私はもう大丈夫だから…」
「すみません…」

駅前に到着すると、涼介さんも車から降りて来た。

「涼介さんもありがとう。今度お礼するね」
「ありがとう！じゃあ、ハルが絶賛してたガトーショコラ今度作ってきて欲しいなあ…」
「分かった。送ってくれてありがとう、じゃあね」