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蜜な時間はあなたと共に
第3章 復活ライブ

ゆっくりと上げられた顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっていたので、テーブルに置いてあるティッシュ箱を渡してあげた。
『久保ちゃんも成長したよな、前までは説教とかするタイプじゃなかったのに』
「せ、説教じみてましたか…すみません…』
『いやいや、頼もしくなったなって意味。色々アイデアとかアドバイスとか言ってくれて嬉しいで。身の回りのサポートするだけがマネージャーちゃうから』
最近では、ライブでの魅せ方や照明の使い方などを提案してくれるようになり、演出で採用される事もある。
彼女のクリエイティブな考えは、マネージャーとして現場に着いて行く中で、音楽に携わる多くの人と関わった事によって成長したのだろう…
『私も大好きなバンドに携わるチームの一員として、沢山勉強してもっとバンドに貢献していきたいと思ってるんです。たまにファン目線で意見を言っちゃってますけどね』
『ファンの目線で意見言ってくれるのも大事やと思うで。マネージャーとしても、ファンとしてもこれからもよろしく』
『は、ハイッ…そうだ、秦野さんにはハルさんを説教したの黙っといて下さいね…』
『分かってるよ…その代わり、俺もグダグタ言ってたの内緒な』

