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えっちなおもちゃ
第2章 アダルトグッズショップ『遊&愛』
親元を離れて一人暮らしをしている凛々子はいつでもオナニーし放題という特権があった。
しかしその特権も時が経つとただの虚しい気持ちになった。

彼氏がいればオナニーと言わずセックスもし放題だが、あいにく凛々子にはいなかった。
高校時代の彼氏は、大学に入り自然消滅となっていた。

えっちな癖にいくじのない凛々子は新しい彼氏というものも出来なかった。


「あーあ……セックス……したいなぁ……」

ベッドに倒れこみ、枕に顔を埋めて凛々子は呟く。

女性が性的欲求を強くアピールするということはどこかタブー視された傾向が未だに世の中では根強い。

男性がアダルトビデオを見たりすることについては、なんだか正当性があるようなことまで言われる世の中になったというのに、女性用のアダルトビデオはほとんどない。
レズもののアダルトビデオという本来女性が楽しむようなものでさえ、男性視点で創られている。

男性用の風俗などというものは本当に多種多様あり、街を歩けば怪しげな看板を見ないようにするのが難しいくらいにあけすけに点在している割に、女性用の風俗などというものは見かけたことがない。

商売になるならないの問題はあるだろうが、それ以前の問題のように凛々子は感じていた。

女性は淫らに性的欲求を口に出してはいけないという、社会のルール。
世の中も次第に変わってきたとはいえ、あまりにその進化の速度は遅すぎるように思えた。

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