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えっちなおもちゃ
第5章 元カレとの再会
しかし一時の感情で合コン参加を決めてしまったことをすぐに後悔した。

凛々子はどうしても合コンというものが馴染めない。
見ず知らずの男と、時には女側にも見ず知らずの人がいて、いきなりわざとらしく盛り上がる、あの空気がたまらなく嫌いだった。

白々しくて、空回りしてる。
そしてぎこちない盛り上がりの中に即席の恋愛感情を織り込もうとする空気も耐えられない。

考えすぎだと自分でもわかっているが、それでも凛々子は合コンの席上がどうしても馴染めず、浮いてしまう。

やっぱり適当な理由をつけて断ろうと凛々子がスマホをポケットから取り出した時、コンパに誘ってくれた友人が手を降りながら駆け寄ってきた。


「ごめーん!! お待たせ凛々子!!」

両手を合わせながら小走りで駆け寄ってくる友人の平山瑞希(ひらやまみずき)は、遅刻した理由を語らなくてもわかるくらいに化粧も髪型も服装も整えられていた。

「ううん……大丈夫だよ」

童顔の凛々子と違い、瑞希は涼しげな目許やシャープな輪郭の大人びた顔立ちだった。
瑞希は男受けがあまり良くないと自らの容姿を嫌っていたが、艶っぽさの欠片もない凛々子からしてみれば羨ましい限りであった。

「どうも、はじめまして」

瑞希の隣にはもう一人の女性のコンパ参加者である瑞希の友人が立っていた。
のっぺりとした凹凸の少ない顔をしたその友人は雑誌のメイクアップ特集を真に受けたような、濃い化粧を施していた。

彫りが浅い顔立ちの人は大胆にシャドウを塗って立体感を出しましょう、と無責任に書かれた雑誌の弊害を見た気になった。

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