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えっちなおもちゃ
第6章 凛々子のきもち
凛々子はノートをしまい、鞄を持ってゆっくりとした足取りで講義室を出た。

「思ったより早かったな」

講義室を出たところに神崎は立っていた。
まるで凛々子が出てくるのがわかっていたかのように。

「ねえ、神崎君……私にお金を払ってもセックスしたいと思う?」

凛々子は真剣な眼差しで神崎を見詰めた。
神崎の実家は地元でも有名な名家で名が通っていた。
資産家でお金には困ることがない生活を神崎が送っていることを凛々子は知っていた。

「いいや。全く思わないな」

神崎の答えは即答だった。

「どうして……?」

「俺は凛々子の身体だけじゃなく、心も支配したい。けど金を使えば凛々子は金に服従するだけだ。そんな金の関係なら凛々子じゃなくてもいくらでもいるだろ」

神崎はそれだけ答えるとなにも言わず歩き出した。
凛々子も黙ってそのあとを追った。

二人はなにも会話をせず電車に乗り、神崎のマンションの前までやって来た。

「ここが俺の家だ」

「へぇ……立派なところに住んでるんだね……」

学校を出てからずっと無言だった二人はようやくそこで言葉を交わした。

神崎はカードキーでエントランスへと入っていく。
凛々子は少し躊躇った後、神崎のあとへと続いた。

神崎の部屋は高層階の2LDKにあった。
名家の御曹司らしい立派な住居だった。



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