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MILK&honey
第14章 ふわっふわの、可愛いやつ

「なあ……」
「なあにー?」
利人は、俺達の中で一番若い。
つまり、一番るりちゃんに年が近い。
……聞くならコイツだ。嫌だけど。
「このキャラクター、なんていうか知ってるか?」
縫いぐるみを、振ってみせる。
「それ?……クマクマクッマだったかな?」
「はぁ?ふざけてんのか?」
「ほんとだって……ほらー」
利人が調べて見せてきたスマホの画面には、本当にこのクマのイラストの上に「クマクマクッマ♪」と書いてあった。
ふざけてんのか、このメーカー……。
「……分かった。ありがとな、利人。助かったわ」
「どういたしましてー。ありがとって顔に見えないけどねー」
「余計なお世話だ。……顔洗って来る」
いってらっしゃーい、と見送られながら、クマの事を考える。
……ふざけたキャラが好きなんだね、るりちゃん……。
俺、店で「クマクマクッマのタオルハンカチ有りますか?」って、聞けねーかも……年の差を感じるよ……。
顔をざぶざぶ洗って、タオルで拭いた。
ふわっふわの、白いタオル……
白いクマ……
ふわっふわ……
……プレゼント、大きい物でも、いいかなー……?
ふわっふわの白いクマで埋め尽くされた俺の頭に、とある物の残像が浮かんだ。

