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MILK&honey
第16章 ……聞かなかった事にしよう。

「姫ちゃん、このブランド好きなの?」

 この機会に今後のために、さりげなくリサーチしてみる。

「私だけじゃなく、みんな好きですよー?!可愛いもん!」
「ふーん……」

 みんなね、みんな。
 るりちゃんは「みんな」に含まれますかー?

「他にも色々お家に持ってたりするの?」
「全っ然、無いですよーう!!お家にもスノプリ欲しいなって思ってて……そしたらこれが発売になったから、探してて!」

 えへへーと笑う。本当に、嬉しそうだ。
 ……俺も、買おっかな……。
 すごく売れてるみたいだし?大好きじゃなくても、希少価値が有るよな……うん。
 ……ってのは、言い訳だ。
 これなら、ヤッてなくても買ってあげても良いですか?朔先輩……

「これ、買うんですか?」
「え。……うん……どうしよっかなって」
「彼女さんに?」

 じっと雑誌を見ていたら、じっと俺を見ていた姫ちゃんに、突っ込まれた。
 ……なんて答えたら良いんだ、これ。
 巧みたいに「誰にだって良いだろ」とか、朔みたいに「お前に関係ねーよ」とか、利人みたいに「さあねー?」とか言えたら良いのに……残念ながら、どれも俺のキャラじゃねえ……。

「や……るりちゃんに……?」

 結局、正直に吐いた。
 さらっと言えば良いものを、もたついたのが怪しみを増している。

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