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MILK&honey
第16章 ……聞かなかった事にしよう。

「姫ちゃん?」
「ひかるさんっ……?!」

 さっきと言い今と言い、んなびっくりしなくても。
 
「うちに、用事だったの?」
「っちがいますっ!!道に、迷っちゃって……ここに来ちゃ、いけなかったのにっ……」

 泣きそうになっている。
 そういやるりちゃんと初めてここに来た時、ひとりで帰って遭難しかけたって、るりちゃんが言ってたっけ……。
 遭難なんて大げさなって思ったけど、本当に迷いやすいんだな。

「どこ行く予定だったの?」
「待ち合わせしてて……駅でっ……」
「駅っ?!」

 駅つったら、本屋は駅だぞ。
 さっき本屋に居たのに、なんで迷うんだ……これは、放っといたら本当に遭難するねw

「良かったら送ってこうか?駅まで」
「えっ」
「さっき本屋から、慌てて出てったよね?それで迷ったなら、俺も責任あるかなーって」

 行こ、と促すと、素直に付いて来た。

「すみません……光さんに責任なんて無いのにっ」
「いーよいーよ。また迷ったら大変だし」
「私……誰にも言わないって約束したこと、うっかり勝手にお喋りしちゃって……まずい!!って思ったら、勝手に逃げてて……」

 姫ちゃん、車に轢かれそうになった猫みてーだな。
 マズい!!!!って思うと、衝動的に逃げちゃうのか……しかも、一番間違った方向にwww
 で、誰にも言わねー約束ってのが。

「それ、るりちゃんの好きな人のこと?」
「う……」

 姫ちゃんは、黙った。
 誰にも言わない約束を、守る事にしたらしい。……今更だけど。

「あ、そうだ。これ」
「ああっ!!それっ!!」
「さっき、買うの忘れてったよね?二冊買ったから」

 スノプリの付録が付いてる雑誌を、姫ちゃんに渡す。

「ありがとうございますっ!いくらでしたか?」
「いいよ、あげる」
「そんな!!お金払います!」
「いいって。いいもん教えてくれたお礼……結局、るりちゃんにも買ったからさ」
「……すみません……」

 姫ちゃんは、しゅんとした。
 
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