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MILK&honey
第17章 「ありがとう、お世話になりました。」

   *

 ……なんだろう。
 どこかかから、ヒカリさんの歌が聞こえる。

 優しい優しい声。
 世界中が自分を愛してると信じて疑いもしなかった頃の風景が、聴いてるだけで蘇って来る歌。

「るりの御守り」で、精神安定剤で、
 私が世界で一番好きな歌声。

 これ、夢だよね……
 でも、すごい幸せ……


『……るりちゃん?……るり……』

「ん……」

 好き。
 大好き。
 ぎゅっと抱き付く。
 抱き返してくれて、髪や背中を柔らかく撫でてくれる。
 幸せ……また、眠くなっちゃう……
 眠りに落ちる前に、伝えなきゃ。
 せっかく、会えたんだから……

「……いすき……か……さん……」

『……うん。』


 いつまでも、夢が続いて欲しいと思って、眠った。


   *

「るりちゃん、起きよー?……もう、お家に帰んないと」

「う……?……かーさん……」

 ヒカリさんの夢見た後しばらくして、かーさんに起こされた。

 半分眠ったまま、でも絶対に一緒に食べる!と言い張って、一緒にご飯を食べた。
 荷物をまとめようとして上手く出来なくて、子どもみたいにかーさんに持って貰って。
 ふらふらしながら、タクシーで帰った。

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