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MILK&honey
第17章 「ありがとう、お世話になりました。」

   *

 そんな風に、過ごしているうちに。
 遂に、試験のシーズンが来た。

 保護者の同意が貰えず、推薦の出願に間に合わなかった私は、これからしばらく試験漬けになる。

「るりー、たまには一緒に勉強しようよー」

 自由登校になった学校の図書室で、読書に飽きたヒメがぼやく。
 うるさい子達も、今は嫌がらせどころじゃなくなったか、長期休みみたいな状況で遊んでるかで、学校に居ない。
 私とヒメは、二人で顔を合わせるだけの為に、時々待ち合わせみたいに登校している。

「ヒメ、受験勉強なんかするの?」
「しない!」

 ヒメも、外部受験はするのに。
 普段から勉強しない子だから、受験勉強もしないよね……と思ったら、驚くようなことを言われた。

「するのは、資格の勉強!」
「え」

 耳を疑った。資格を取ろうとか、勉強しようとか、そういうことを考えるタイプじゃないのに。

「……何の資格?」
「秘密!……でも、試験は11月!……けど、るりと勉強したいから今からやるの!」

 カバーをかけた、テキストっぽい本を見せられる。

「……それ、わざわざ勉強じゃなくて、一緒にご飯食べるとかで良くない?」
「え?!るり、ご飯食べれるの!?いっつもおうちで食べてるじゃん!」
「……最近、あんまりおうちで食べない……」

 最近、かーさんはますます忙しい。
 ご飯を一緒に食べるどころか、作ることさえ出来ない日ばっかりだ。
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