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MILK&honey
第17章 「ありがとう、お世話になりました。」

 つけまつげ……つけまつげ……っ?!

 そんなもの、無かったよ?
 昨日、お掃除した時……!!

 昨日から今までの間に、つけまつげ?
 ……かーさんが帰って来ると同時に、つけまつげ?
 しかも、近くに、落ちてるって……

 昨日から今までの、
 私の居ない間に、
 つけまつげをしてる人がここに来て、
 つけまつげの取れるようなことをして、
 帰ってった……って事……?

 つけまつげを落としていく様な人って……女の人……だよね……?
 女の人が、今もこのお部屋に、出入りしてるの……?
 私、会ったことも、かーさんに話を聞いたことも、無いっ……

 さっきとは全然違う気持ちで、恐る恐る、かーさんを見る。
 同じようにうっすら無精ひげの伸びた顔で、同じようにすーぴー寝こけてる……
 ……けどっ……!!

 もしかして、かーさん、
 つけまつげの人と一緒に帰って来て、
 つけまつげの取れるような事して、
 つけまつげの取れちゃった人が「またね♡」とか言って帰って行くのを見送って、
 それで、それでっ……疲れてっ、
 こんなに爆睡しちゃってるのっ……?!

 その人って、洗濯機の後ろのブラの人と、同じ人……?
 別の人……?

 気になる……どうしても、気になっちゃうぅぅっ……。
 ……こっそり、見に行こう。

 そーっと立ち上がろうとして、その前に気がついて、ティッシュを取ってつけまつげを拾う。
 ブラは勝手に捨てられないけど、これは……捨てちゃっても良いよね?

 そのまま目を逸らしながらティッシュに包んで、ゴミ箱の奥の方に、こそっと捨てた。
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