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MILK&honey
第17章 「ありがとう、お世話になりました。」

  *

「……う……届かないっ……」

 私はショッキング紫のブラを確認しに、そーっと、洗面所に来た。

 前に落とした時に、変な所に落ちたらしくて。
 同じように手を突っ込んでみても、布っぽい感触は、触れなかった。

 ……だけど……

 もしかしてもしかしたら、ブラの持ち主さんが、あの後から今までの間にここに来て、拾ったって事も、考えられるよね……

 あの後って、たとえば、今日っ……

「……もーっ!!」

 触らないなら、見て確認すれば良い。
 洗濯機の上に乗り上げて、後ろを覗く。

「……有った!……きゃ!!」

 ブラは、有った。
 ものすごい紫色なお陰で、ちらっと覗けただけでもよく見えた。
 その代わり、洗濯機の上からずり落ちて尻餅を付いて、閉じてた蓋まで開けてしまった。

「痛っ…………え?」

 蓋の開いた洗濯機の中に、ものすごい紫の何かが、ぽつんと入ってる……?

「……なに?……ひも?」

 思わず手を伸ばして、取り出したそれは。
 紐みたいなものとくっ付いたショッキング紫の、薄手の長いソックスだった。

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