この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
MILK&honey
第4章 「私の御守り」

 私より慌てていて、私より動揺して、私より、ショックを受けている。
 優しくて、お節介で、感情が豊かなヒメらしい。
 ……けど、ごめん。私は絶対、騒ぎ立てたりしたくない。 
 相手の思うつぼになんか、はまってやるもんか。

「るり……でも……」
「いいの。こんなの、洗えば落ちるし」

 まだ辞書が落ちたままだけど、もうヒメの頭の中からは辞書は消え去って、卵で一杯になってるだろう。
 仕方ないから、自分で拾う。……でも、手が震えてて、うまく拾えない。
 悔しいのか、怒ってるのか、どっちで震えてるんだろう。恐いっていう理由だけは、無い。絶対有って欲しくない。

「ごめん……私が遅くなったから」

 辞書を拾って、しまっていたら。
 ヒメがハンカチを制服のどこかから探し出して、背中の汚れを拭いてくれた。

「ううん。私がもっと気をつけてたら良かっただけだもん。……ごめんね、ハンカチ汚して」
「ハンカチよりも、自分のことを気にしてよ!こんなの、ひどい……料理部の子……?」
「違うかも。今なら料理部の子じゃなくても、誰でも出来るよ」

 うちの学校には料理部がある。食材を自由に持ち出せるのなんて、いつもはその子たちくらいなんだけど。
 今週末は、文化祭だ。
 料理部は、今週に入ってからずっと、販売用のお菓子を大量に作ってる。もうお祭りが始まってるみたいな大騒ぎだから、そこから卵を持ち出すのなんか、誰にだって簡単に出来るだろう。

/325ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ