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MILK&honey
第18章 俺も、毎日、泣いてんだけど……?!

「あんなにご飯作り大好きなるりちゃんが、何日もご飯を作らずに、居られるものなの?」
「……あいつ、そんなに料理大好きだったか?」
料理出来なくってストレス溜まっちゃわないか、心配な程だってのに。
そんな意外そうに言わなくっても、お兄さん。
「うん!だって、家にいる時はいっつも一緒にご飯作るしー、居ない時は作っといてくれるしー、何が食べたいか聞いてくれるしー、好きなものとか憶えてくれるしー……」
数え上げてたら、タクミがむっとした。
「るりを飯炊き女に使うな」
「そんなこと、言ってね……ぇぁいもん!!」
るりちゃんは飯炊き女なんかじゃねー。るりちゃんは、るりちゃんだ。
ちなみに俺の中での順位は、こうだ。
1、るりちゃんのご飯と、るりちゃん。
2、るりちゃんだけ。
3、るりちゃんのご飯だけ。
4、どっちも無し。
つまり、ここ最近は、毎日毎日最下位だ。
ああ……栄養が足りない……!
るりちゃんは、俺に必須な栄養なんだよ!!
「仕方ないだろ?受験や進学が落ち着いて来れる様になったら、また来るだろ」
「……うん……」
タクミ……じゃなくて、巧。
お前は、大事なことを忘れてる。
るりちゃんは、進学で困るまでは、ほとんどお前んとこに来てなかったんだぞ。
進学をクリアしたら、お前んとこに来る理由は、無くなるかもしれねーだろ……!!
落ち着け俺。
今騒いだら、るりちゃんに迷惑がかかる。
受験が全部終わるまで、待とう。
それまでは、なぜか山折り谷折りされまくった跡のあるお手紙でも見て、るりちゃん不足を補おう。
「ヒカリちゃん、ちょっと来てー」
「はーい」
それまではヒカリ活動を頑張って、遠くからるりちゃんを応援しよう。
……不思議だ。
るりちゃんと知り合う前、俺はどうやって生きてたんだろう。

