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MILK&honey
第18章 俺も、毎日、泣いてんだけど……?!

掛けても出ない。送っても答えない。
あっちからは、音沙汰が無い。
学校で待ち伏せしたり家に張り込んだりしたら即不審者決定という状況では、音信不通は、イコール「もう会いたくない」という意思表示でしかない。
怪我したとか病気したとかいう可能性は、巧がなんにも変わってねー限り、有り得ねー。
「……るり……るりるり……るりさーん……」
どんな風に呼んでも、虚しいだけだ。
るりちゃんに、会いたい。
会えないなら、声だけでも聞きたい。
声が聞けないなら、メールかメッセージだけでも読みたい……あんまり読みたすぎて、楽屋で以前送って貰ったクマクマクッマのスタンプをじっと見詰め過ぎてたらしく、今日は朔に若干引かれた。
「……るっ……りちゃーん………」
アホか。
情けない。
いい年して。
キモい。
変態。
頭おかしいんじゃないの。
正気に戻れ。
ありとあらゆる苦言をこさえて、並べてみたりするけれど。
やっぱり俺は、るりちゃんを諦められねーよ……!
……俺……もしかして、このまま腐っていくんじゃね……?
ピポピポピポピポピンッ ポーンンンンン……。
ぐずぐず床に転がり続ける世界一みっともねー俺の耳に、やたらと速くて力強過ぎる、玄関チャイムの音が響いた。

