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MILK&honey
第18章 俺も、毎日、泣いてんだけど……?!

……あの時……。
バッグを開けて、中身を出し掛けて、寝落ちした。
起きた時、バッグは半開きのままだった。
るりちゃんが洗濯してくれようとして、
バッグを開けて、
中を見て!!
驚いて、
戻した……
……という可能性は、無いとは言えない……!
「じゃ……るりちゃん」
「あれ見たら、お前の仕事は芸人じゃねぇと気付くだろ……いくら何でも」
「気っ……付いたって」
狼狽える俺に答えずに、朔は顎に手を当てて考え込んだ。
「巧の妹は、兄貴のライブに来た事有んのか?」
「無いよ?るりはお兄さんのお仕事に反対だから」
「……じゃあ……」
朔は、質問の意味が分かっていなさそうな姫ちゃんから、分かりすぎる位分かった俺の方に視線を移した。
ライブに来た事が無くて巧の仕事も嫌いなら、衣装を見た事もねーだろう。
「……芸人じゃなくて、そういう服着て接客する仕事と思った……とかな」
「えっ!?え、でも俺男」
でも俺男、って……男の筈なのに仕事でそういう服着てる事は、すっかり棚に上げてんな、俺www
「……有んだろ、男でも。居んだろ、身近に」
「っえ……」
朔が溜め息を吐きながら、俺の胸の辺りを指差した。
「お前、誰の差し金で今みてぇになったんだ?」
「へっ」
『バンド、やるわよぉおー!!』
頭の中に、高校の先輩の雄叫びが蘇った。

