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MILK&honey
第18章 俺も、毎日、泣いてんだけど……?!

   *

「みんな、集まってくれてありがとね!」
「何なんすか、このメンバー」

 俺は、体育館の舞台袖の物置に集められた面々を見回した。
 工藤巧と、相沢朔。
 朔は一年ときも今年も同じクラスの友達だ。
 工藤とは、一度も喋った事がねー。

「もうすぐ、文化祭じゃない?」

 俺らを集めたのは橋本先輩が、宣った。
 元・柔道部主将、成績も上位の大男。
 俺は、体育祭の応援団で一年二年とお世話になったのが縁で、何かと可愛がって貰ってる。

「あんたたちは来年も有るけど、自分にとっては最後の文化祭なの」

 自分を「自分」と言う男。
 なのに、気を許した人間に対しては、口調と物腰がやたら柔らかい。
 そんな、外面強面内面乙女な橋本先輩は、淋しそうにくすんと鼻を鳴らした。

「……だから?」
「最後の思い出作りの為に、あんた達に白羽の矢を立てたって訳よ」

 え。
 白羽の矢って、なんの?
 悪い予感しかしねえ……。

「この三人と自分の四人で、バンドやるわよー!!」
「…………。」
「え?」
「へ?」

「良い?朔。あんたギターね」
「……はあ……」
「ベース弾けるよね、タクちゃん!」
「……嫌って言っても、無駄ですよね。」
「さっすがよく分かってるう!!よし!決まりね、光!」

 諦めの表情を浮かべる、相沢と工藤……。
 工藤は部活の後輩、相沢は同中の後輩か……なるほど、飲み込みが早……
 ……いや、ちょっと待て。

「先輩……俺、なんも楽器出来ませんけど……」
「あんたは、良いの!」
「え」

 なんでだ。楽器やんねーって……もしかして、あの、横で踊ってる係の人か?!

「俺、バク宙やるとかですか?」

 それなら出来るかも、と思ったのに。

「ちっがーう!!あんたは、ボーカル!!!!」

「……え゛。」

 先輩は、楽器担当よりもっと有り得ねー事を、俺を指差して高らかに命じた。 


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