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MILK&honey
第19章 「まさか、かーさん?」

「……それにしても……」
彼氏さんは照れた様にほんの少しだけ口元を緩めたあと、また眉間に皺を寄せた。
「……戻って来ねぇな……」
「……来ませんね……」
二人で自己紹介して、ヒメの事を話して。
しばらく待った事になるけど、肝腎のヒメは、なかなか戻って来なかった。
「またとんでもねぇ所に行っちまったんじゃねぇだろうな……悪い、ちょっと探して来る」
「あ、じゃあ、私も」
「や……あんたは……」
彼氏さんーー相沢さんは、ちょっと言いにくそうにして、それから、思い切ったみたいに言った。
「実は、妃愛乃があんたに会わせたい奴ってのは、俺だけじゃねぇんだ」
「え?」
「あいつが戻って来てからと思ったんだが……待ってたら、いつになるか分からねぇからな」
相沢さんは、私やヒメや相沢さんが入って来たのと違う扉に手を掛けた。
「むしろメインは俺じゃなくて……こっちだ」
扉が開けられた先は、別の部屋になっていて。
「ヒカリ。巧の妹さんだ」
「え」
部屋の中には、こちらに背を向けて椅子に座ってる、女の人がひとり居た。

