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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい

「……うーん……」
ビニールをプラのゴミ箱に捨てて、冷蔵庫を覗く。るりちゃん前とるりちゃん後では中身の充実度が違ってたけど、来てくれなくなってからは、遺してくれたもんプラスアルファみてーな事になってたからな……遺跡だな、るり遺跡www
卵は有るな。期限がやべーが、なんとかなる範囲内だろ。
あとは……ぎりぎり食パンと、ぎりぎり牛乳と、微妙なトマトと、水栽培の球根みてーになりかけてるタマネギと、芽が出かけてるジ……
「かーさん」
「ん?……っ!!!!」
振り向いたら、るりちゃんが居た。
湯上がりの、うるうるでピカピカでほかほかのるりちゃん。
それを包む、ミルク色にジェラートみてーな淡い色のしましまが入った、ふわっふわのワンピース。
なにこれ……目が蕩ける……!!!!
ずっと見ていてえ……!!
「これ、ありがとう……着てみたけど、どう……?」
「天使みてー……」
天使だ、天使。ピーピーなんかさえずってんのが、聞こえる気がする位、天使だ。
「え?」
「あ、や……すっげー、似合ってる……!」
好きな子が、自分の買った服を着て、嬉しそうで、眩しくて見れねー。
これ以上晴れがましい事って、有る……?!
ピーピー言うのをBGM に、眼福とか至福とか言う言葉で頭がいっぱいになる。
買って良かった……!!
「……ありがと、嬉しい……大事に着るね」
「うん……」
ああ……ぎゅっとしてえ……。
抱き締めても良いかな。
いやいやいや。んなことしたら、明後日が危ねー……でも、ふわふわるりちゃんに触りてー……
「……かーさん?」
「へ?」
「……鳴ってる」
「へっ?」
「……冷蔵庫。」
るりちゃんは、俺が開けっ放しで押さえ続けてた扉をそっと指差した。

