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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい

「……あああ!」
がっくり、項垂れる。
るりちゃんに俺の成長を見せたかったのに……!
三回に一回は、これだよ。でもなんでここに来たよ、一回。
「かーさん、すごい!!」
「へ」
しおしおと卵を別の入れもんに移しながら殻を取ってたのに、るりちゃんは目をキラキラさせていた。
「すごい……コンコンで、潰れなくなってる!」
「へっ」
「前は、コンコンする時ぐしゃってなって、全然食べられなかったけど……これは、殻を取ったら食べれるじゃん!」
「や、でも、今日は潰れたらダメ………」
「大丈夫だよー!これは、明日の朝使お?」
……明日の、朝っ……!
さらっと、「明日の朝」なんて。
なんか、心臓に刺さった。
俺のダメージに全然気付いてなさそうなるりちゃんは、卵に手際よくラップした。それを冷蔵庫に仕舞いながら、新しい卵を二個取り出す。
「この新しいの、一個持って」
「うん?……ん゛っ!?」
るりちゃんは俺の手に卵を握らせて、背中側に回った。
そして、俺の体の両脇から前に、手を回した。
「コンコンまでは、出来てたからー」
俺の両手に、手を添えて、一緒に卵を持……
コンコン。
「ほら!ひびを入れるのは、上手になってる!」
手も……手もだけど……
「このあと、かーさんは、上と下で割っちゃってるから、」
背中っ……背中にっ……
「そうじゃなくて、こうやって……左右に」
左右にっ……
左右に、おっぱ……
パカッ。
「ほら!!出来た!!」
「うんっ……」
手の中に、きれいに割れた卵の殻。
目の前のカップに、きれいに丸い卵。
背中に、二つの丸いおっ……
「もう一個やってみて!」
「うん……」
頷いたらおっ……るりちゃんは、背中から離れて、俺の手元がよく見える所に移動した。

