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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい
「委任状……ですね」
中身を確認した受付の人は、用紙に何かを書き付けた。
「はい!工藤巧は、仕事の為に出席出来ず!代わりに写真を撮って来る様にとっ」
これは、本当。委任状も本物だ。
巧は今日、ピンで仕事が入っている。インタビューかなんかだったかな。
で、昨日突然部屋に来て。
「騒がずに写真だけ撮って大人しく帰って来れるなら、貸してやる」
……と、カメラと招待状と委任状の封筒をまとめて、嫌そうに渋々渡して来たのだ。
その前に、俺とるりちゃんの挙動をじーっと観察されたのは、言うまでも無い……雰囲気に流されてヤッちゃわなくて、本当に良かった!
そんな招待状と委任状とスナイパーみてーなレンズが付いたデジタル一眼レフを見せると、受付係はすんなり納得したみてーだった。
「承りました。写真は撮影エリアが決まっておりますので、エリア内からフラッシュオフで、宜しくお願い致します」
「はいっ!」
やったー!!
入れた!入れちゃったよ、るりちゃん!!………………と、巧!
躍り上がりたいのを我慢して、次の関係者に大人しく場所を譲る。
「本日は、おめでとうございます」
「ありがとうございます。根元妃愛乃の弟の、根元ハジメです」
いつの間にか眼鏡を掛けていた朔は、真面目な顔でしゃあしゃあと招待状を差し出した。