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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい
「根元さんの弟さんですね」
「はい。本日は父母の帰国が間に合わず出席出来ませんので、家族代表として参りました」
朔め。
なんだ、その眼鏡は。
今時珍しい、裸眼で視力検査表の一番下まで見えるヤツが、一晩で目が悪くなりやがったのか?
んなもん用意してんじゃねーよ。
「ようこそいらっしゃいました。ご両親様は残念ですわね」
「ええ。僕が代表して姉の晴れ舞台を見て来る様にと……両親に見せたいのですが、録画しても宜しいでしょうか?」
……「僕」!!
「僕」って言った!?
誰だよお前!!
「勿論ですわ。ぜひご両親に見せて差し上げて下さい……どうぞ、中に」
もしもし、受付の人?
素直過ぎやしませんか?
今こいつは、年を十近くサバ読んでんですよ!?
何のフィルターが掛かってんだ。職員さんも卒業生がほとんどだっつってたな。男慣れしてねーからか?女子高育ちフィルターか!!
こんなのにコロっと騙されるなんて、人を疑うことを知らなさ過ぎる。
や、今疑われっと困んだけどなw
「有り難う御座います」
朔が会釈してこちらに来ようとした時。
「……あ。ちょっと待って」
隣の受け付けから、声が掛かった。