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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい

*
会場に入った俺達は、撮影可能エリアに入って無言で撮影場所を決め、朔は三脚を設置した。無言だったのは、下手に喋るとボロが出そうだったからだw
式は、厳かに始まって、粛々と進行した。
招待客が着席したところで、再度撮影の注意点の伝達。
来賓入場。在校生入場、
その後で、卒業生入場。
るりちゃんが入場した時、連写でシャッターを切った。すらりとした姿と軽い足取りは、遠目で見ても他の子達とは、全然違ってて、一目で分かる。姫ちゃんの写真も勿論撮った。姫ちゃんの、卒業式の静けさや緊張感を物ともしない踊る様な足取りも、るりちゃんと同じ位にすぐに分かった。
学園歌斉唱。招待客も起立するけど、歌えねーwww
そして、卒業証書授与。
「三年一組 青野紫」
「はい」
一人ずつ名前が呼ばれ、返事と共に起立していく。クラスで一人代表が呼ばれて、進み出て証書を受け取って、全員が着席。
クラスの一番の子は、立ってる時間が長くて大変だね……っといけねー。
るりちゃんのクラスだ。
「工藤るり」
「はい」
決して出しゃばらず控え目なのによく通る、りんとした声。とりあえず、消音にしといてめっちゃ連写した。
「……以上三十五名、代表、工藤るり」
「はい」
「ぅぉ」
るりちゃん!?
……代表?!
代表なら、言っといてよ!!心の準備とカメラの準備がっ!!
「卒業証書、工藤るり あなたは……」
台の上には、るりちゃんよりでっかい装花や、着飾ったおばさま方や、いろんな人や物が有ったけど。
るりちゃんは飛びっきり輝いて見える。
後光が射してんね……他のクラスの代表の子達たぁ訳がちげーよ……!
俺は、カードの残量が不安になるほど、連写して連射して連写しまくった。

