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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい

 るりちゃんのクラスが終わって少しすると、姫ちゃんのクラスだった。

「根元妃愛乃」

「はい」

 姫ちゃんも、いつものぽややーんとかきゃっきゃとかじゃなく、きりっと返事をして立っていた。
 姫ちゃんは、クラス代表じゃねんだな。影になっちまってたけど、立った所は撮っといた。
 
 証書の授与が終わって、学園長挨拶、来賓挨拶、来賓紹介、祝電紹介。
 在校生からの、送る言葉。
 式次第は進む。

「卒業の言葉」

 三脚任せで呑気に録画していたハジメくんが、ちょっと動いた。

「卒業生一同、起立。……卒業生代表、根元妃愛乃」


 ……え。


「はい」

「っ?!」

 えっ!?
 えっ、えっ?!姫ちゃんっ?!
 声が出そうになったけど、朔にギロリと殺されそーな目で睨まれて、慌てて押さえる。
 それから、気付いて、カメラを構えた。

 立ち上がった同級生の間を軽やかに進み出て階段を上り、学園旗に、来賓に、招待客と在校生に会釈して。
 正面の学園長先生にお辞儀すると、卒業生が一斉にお辞儀をした。
 ひめの、という名前の通り。
 まるで居並ぶ女の子たちを従えている、お姫様の様だった。

「卒業の言葉」

 震えもせず、歌う様に滑らかに、姫ちゃんの言葉は始まった。

「私達、卒業生二百三十名は、今日を以てこの学び舎から巣立ちます。……」

 すっげえ。
 あの、道に迷ってビビってた時なんかとは、全然違う。
 堂々とした態度で、大袈裟でなく、感謝と未来への希望と後輩への励ましが詰まった言葉を述べる姫ちゃん。
 ぽかんと口を開いてる間に卒業生の言葉は終わり、式歌の斉唱になり、閉会の辞になり。

 卒業式は、つつがなく終わった。
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