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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい

   *

 式が終わり、招待客は退場となった。
 朔はビデオカメラをケースに納め、三脚を畳んでそれも仕舞って、肩から掛けた。

「なあ」

「何だ」

 ケースに入れたカメラを持って二人で校門に向かいながら、朔に話し掛ける。
 卒業式は、終わった。もうつまみ出されたって構わねーから、言葉使いは元に戻した。

「姫ちゃん、総代だったの?」

「当たり前だろ、首席だぞ。しかも在学中首席の座を譲った事は、片手で数える程しか無いらしい」

「へぇぇぇえ……」

 在学中、って……ここ、小学校どころか、幼稚園からある学校だよね?幼稚園にゃ首席とかねーかwww

「ちなみに、大学はX大だとさ」

 小せー声で、朔が言う。
 
「……学校始まってから今までの間で、片手の指が余る位しか入学してない大学で、合格したら快挙らしい。教師も職員も浮かれて頭が沸いてるって笑ってたぞ、まだ合否は出て無いってのに……だが落ちるとしたら名前書くのを忘れた位しか考えられねぇらしいから、周りが浮き足立つのも仕方ねぇな」

「へー……」

 X大つったら、日本人なら知らねー奴ぁいねー位の、超有名難関大学……!!
 姫ちゃん、お勉強は出来る子だったんだね……。
 あんなに突拍子の無い事ばっかりしでかして、見た目がゆるふわぽややーんなのに、来月からはX大生……人間って、分からねーもんだな!!

 ……なるほどなー。
 総代で、学校始まって以来レベルの才媛のお姫様ってか。
 道理で、卒業式にやって来た家族が、無条件で好意的に迎えられる訳だ。
 ……まあ、家族っつっても、真っ赤なニセもんなんだけどね!!
 
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