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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい
「……お。」
朔が、外の方を見た。何人か、外に出て行った。
開かれた扉から、女の子達の華やかなざわめきが流れ込む。
「終わったか」
外側から控え目に引き戸が開かれて、ひょこんと見慣れた黒髪と制服が覗いた。
きょろきょろと室内を見回して、俺をみてまるで花が満開になった様に笑う
「か……松森さんっ」
……るりちゃん。
待合室に、光が射した。
「おめでとう、るりちゃん!」
るりちゃんは俺を名字で呼んだけど、俺が「工藤さん」って呼ぶのも変だよな。るりさんってのも、まるで別人みてーだし……兄貴の友達なんだから、るりちゃんで良いだろ。
「ありがとうございます」
「写真いっぱい撮ったよ。外でも撮ろうね」
「うんっ」
はにかんで笑う、るりちゃん。
ああ……ぎゅーっとしたい!!
でも、しねーし。るりちゃんの評判落としちゃいけねーもんな。帰るまで、我慢する!!
「姫ちゃんは、まだなんだ?」
扉の方を見ながら聞いたら、朔がほんのちょっとぴくっとした。
「ヒメはクラスが違うし、学園長室に寄らないとだから……少し、遅くなると思う」
「そっか」
……総代だもんな、いろいろ有んだな、挨拶やらなんやらな。
そーっと朔を窺ったけど、知らん振りしていやがった。