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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい
「ヒメちゃん来るの待ちながら、るりちゃん一人の写真撮っとこっか」
「うん」
三人で、外に出た。
俺とるりちゃんは撮影場所を探し、朔は離れた陰のところで校舎から出て来る女の子達を見ている。
「そこ立って、こっち見てー。笑って……あ、証書入れ持ったヤツも撮ろっか」
桜の下で写真を撮って、るりちゃんと一緒に確認する。
「……どう?」
桜色が映ってるみてーな頬っぺたときらっきらした瞳で、花がほころぶ様に笑ってる、るりちゃん。
最っ高に、綺麗だ。感動的に、可愛い。
「すっごい、良い写真……!」
「な?だよなー?」
でしょ?我ながらすげー良く撮れている。
モデルが良んだな!
「ありがと……カメラマンさんのおかげ……」
「へ」
恥ずかしそうににっこりされて、どきっとする。
どうしよう、また惚れ直しちゃった……愛おし過ぎて、目眩がする……!!
「るり先輩っ」
「あ」
くらくらしてたら、じりじりと女の子の群れが寄って来た。無言の圧を感じて、るりちゃんからそーっと離れる。
「ご卒業、おめでとうございます」
「ありがとう」
離れて横目でチラ見しながら、聞き耳を立てる。先輩って呼ばれるって事は、後輩達だな。
「外の大学に、行かれるんですかっ……」
「うん。管理栄養士になりたいの。うちに、取れる学科無いから……」
「上に進まれると思ってましたっ……遠くに行くなんてっ……淋しいです」
何人も、泣いてる子がいる。
同級生には意地悪されたりしたみたいだけど、後輩には慕われてんだね。
「ごめんね。みんな、元気で……頑張ってね」
慈しむ様な目で後輩を励ます、るりちゃん。神々しい。眩しすぎる。
るりちゃんを見た下級生は、みんなぽーっとなっていた。
うん、分かる。聖母様みてーだもんな。
「……あのっ!」
るりちゃんにしばらく見惚れていたていた下級生は、はっとしてるりちゃんを見上げて、裏返りそうな声で叫んだ。
「スカーフをっ……交換して頂けませんかっ?!」