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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい

「へ?」

 思わず、間抜けな声が出た。

 ……スカーフ?交換?
 下級生達のスカーフは、緑とか赤だ。るりちゃんは、紺色。学年で違うんだろうけど……交換?
 るりちゃんは、目を伏せて薄く微笑んだ。

「ごめんなさい。もう、決まってるの」

「そうですか……もしかして、ヒメ先輩?」

「ううん」

 ふるふると頭を振る、るりちゃん。
 何だろ、スカーフ……女子高の儀式?
 もしかして、学ランのボタンみてーなもん?セーラーはボタンねーから、スカーフなの?

「ごめんなさいね。気持ちはとても嬉しいわ」

「いいえ。では、せめてこれを……」

 スカーフの謎も解決してねーのに、また謎の儀式に突入した。
 今度は、花だ。下級生が白い薔薇を一輪、るりちゃんに差し出してる。

「受け取って頂けますか?」

「ありがとう。綺麗……頂くわ」

「今まで、ありがとうございました。るり先輩のこと、ずっと大好きです」

 それを、皮切りに。

「好きです!」
「ありがとう」
「憧れてましたっ……」
「どうもありがとう」
「外に行かれるなんて、淋しいです」
「ごめんね、文化祭には遊びに来るわ」
「大好きでした」
「ありがとう」

 唖然……。
 目の前で繰り広げられる、華やかな告白の数々……!!
 見る見るうちにるりちゃんの手には白薔薇が溜まってって、デカい花束ぐれーの量になった。

「なんか……すげーな、女子高……」

「お前、聞いてねぇのか。『卒業式の伝統のお作法』。」

「へっ」

「……ま、所詮茶番だからな」

 ちょっと!!なにその「お作法」って?!
 すげー気になる……!!

「あのっ、」

「……来たな。」

 お作法って何?!……と、聞こうとした瞬間。
 朔は眉間に皺を寄せて、イヤそうに奥の方に目をやった。
 そこには。
 大きな紙袋とスクールバッグを両肘に引っ掛けた上、すげー持ちにくそうに大量の白薔薇の束を抱えた、姫ちゃんが居た。

 
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