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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい
「るり、髪に花びら付いてる」
「え?」
「動かないで……ん、取れた」
「ありがと、ヒメ」
二人がいちゃいちゃする度に、背後がきゃーきゃーさざめくのを感じる。
……やりにくい。
やりにくさは、二人に撮った写真を見せる時に最高潮に達した。
「うっわ、すっげー良く撮れた!」
「ほんと?見たい!」
「見せて見せて!」
二人がはしゃぎながら俺の傍に寄って来る……までは、空気が桜色なのだが。
「わ!ほんとだ、るり、すごいいい笑顔!」
「ヒメも、すごく可愛く写ってる」
カシャカシャカシャ。
隠しきれない、隠し撮りのシャッター音。
「うんうん!二人とも、すげーべっぴんさんだよなー!!」
「嬉しいー!松森さん、写真じょうずー!!」
二人が俺に近付いて、撮影のフレームに入っちまわざるを得なくなった途端。
周りがしーんと静かになって、空気がひんやりする。
この空気を言葉にすると、「誰だよこのオヤジ女神様方の邪魔すんじゃねーよ」だ。
……居たたまれない。
朔レベルの高身長イケメンだったら、空気が違ったんだろーか……
朔本人は、何か気に入らねー事が有んのか、邪魔しねー様にか、身バレを警戒してんのか、全然こっちに近付かねえ。
ずーっと物陰でこっちを時々ちらっと見ながら、おとなしーく荷物番をしている。