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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい
誰か、助けて……!
オジサンまだぎりっぎり犯罪者じゃ無いよ多分……!!
……って、思ったんだけど。
「もぉいい?」
「うん」
一通り写真を撮り、最後に門に近い卒業式の看板の前で撮影を終えた二人は、囁き合うと門の内側でくるっと踵を返した。
「「ごきげんよう」」
そう挨拶をして、深々とお辞儀をする。
俺の後ろには、鼻をすすりながら泣いてる下級生……。
お辞儀を終えて頭を上げると、二人はまたくるりと回って門をくぐって、外に出た。
「何ぼけっと見てんだ。行くぞ」
「へ」
いつの間にか朔が俺の横を通り過ぎて、門を出ようと……待て待て待て!!
「ちょ、さく……らが綺麗だねハジメくん、っ?!」
追い掛けて門を出た俺の目に、更に度肝を抜かれる光景が写った。
薔薇、薔薇、薔薇。
今度は、白薔薇じゃねえ。
赤に、ピンクに、紫に、レモン色に、オレンジに……色の付いた薔薇の花束……を、持った男、男、男。
門の真正面じゃなく、物陰とか車の影とか離れた所とかに居る……つもりなんだろうが、こんだけ沢山居やがったら、隠れていようがクッソ目立つ。
空気まで、薔薇の匂いがしてんじゃね……?!
「……なにこれ……」
「本っ当に何にも聞いて無ぇんだな、お前」
呆然としてたら、何でなんだか、朔に憐れみの目を向けられた。