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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい
「迷惑……迷惑……?」
朔の滅茶苦茶な言い分を聞いていた姫ちゃんは、おろおろし始めた。
「ヒメ」
それを見かねたかの様に、るりちゃんが声をかける。
「るりっ……」
「ごめん。私、途中でお買い物したいから、別で帰るね?さ……ハジメさんと、ゆっくりお話して」
「るりぃ……」
姫ちゃんがくしゃっと眉を寄せて、るりちゃんをちょっと離れた所に引っ張ってって、抱き付……
……え。
抱き付いたっ!?
抱き付いて、抱き合って、ぎゅーっとか抱き締め合って、耳元でなんかこしょこしょ話しては、こくこく頷いたりしてんですけど……!?
薔薇持ったまま抱き合う、ブルーグレーの歴史有るセーラー服の、美しい女子高生二人……周り中からさり気ない振りを装って、ちらちらちらちらチラ見されてる!!
なんと守衛さんまで、こっちをガン見しているよ!!
……あ。守衛さんのは門から出ちゃった卒業生に、良からぬ輩が近付かねー様に牽制する為ですね、多分。
べたべたしていた二人が、ちょっと離れた。
「……私は、ヒメの事、大好きだからね」
ちょ……るりちゃん……!!
その台詞でおでこをコツンとか……鼻血出る……!!
「私も、大好きっ……」
ちょ……姫ちゃんっ?!
ちゅーを……ちゅーをすんじゃねーかと思う位、近い近い近い近いっ……!!
囁く距離が、ほとんどゼロっ……!!
見んな!!誰も見んな!!
やきもきしてる俺の耳に、はーっとわざとらしい溜め息が聞こえた。
……ハジメ!じゃねーわ、朔!!
お前また、「茶番……」とか思ってんのか!!
この野郎……お前なんか、地獄に落ちろ!!
「ほら、行くぞ。刺身が萎れる」
内心で呪ってたら、朔は姫ちゃんにとんでもねー事を言い放った。
「う゛……おさしみじゃないってさっきゆったじゃんばか……!」
姫ちゃんは泣きそうになって、るりちゃんの陰に隠れた。