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MILK&honey
第25章 「……最後まで、しよ?」
「……るりちゃんの学校の卒業式って、いろいろびっくりする事が有んだね?」
「え?」
……びっくり?
卒業式を思い出してみる。
歌って、証書貰って、挨拶があって……あ。
「……私がクラス代表になったとか、ヒメが総代だったとか?」
サプライズで、黙ってたんだけど……そんなにびっくりしたのかな。
写真撮らなきゃいけなかったから、すごくびっくりしたのかも。
「じゃねくて……その、薔薇とか……」
「あ」
手に持ったままの薔薇を見る。
そっか。学校の中では普通過ぎて気にしない事も、外では普通じゃないんだった。
「白薔薇は、下級生が卒業する上級生に、今までの感謝とか好意とかを込めて捧げるの」
何種類かが混ざってる、白い薔薇を見る。
「こんなに貰うって、思ってなくて。急に花瓶有るかとか聞いて、ごめんなさい」
束は、二十本くらいある。こんなにたくさんになっちゃうんだったら、先に用意しといたら良かったよね……。
「るりちゃんも、誰かにあげた事有るの?」
「え?……ぁ」
今になって急に、花瓶貸してって頼むとか。
迷惑だったかなって思っていたら、全然違うことを言われて、キスされた。
なんで急に、こんなとこで?
「……かーさん?」
「俺も、あげたかった」
ちゅっちゅって唇を吸われて離れて、おでこをくっつけたまま、ぼそっと言われた。
「えっ?」
「生徒だけじゃ無かったよな?薔薇持ってたの……」
唇を、指で撫でられる。
普通の日だったら、生徒は薔薇なんか持って来れない。すごく隠して見つからなければ、できるかもだけど。
卒業式だけは特別に見逃して貰える事になってるけど、外部の人が薔薇を持ってたら、招待状を持って居たって校内には入れて貰えない。
どこから話を説明しようか、迷っていたら。
「……るり?」
耳元が、ぞくっとした。