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MILK&honey
第28章 末永く、よろしくお願い致します。

「私、帰らないよ。」

 るりは、投げやりに言った。

「今日は、ここに泊めて貰うから。……卒業したら泊まって良いって言ったよね?」

 ……そう。
 るりは、巧と取り決めをしていた。

 卒業するまでは、どんなに夜遅くなっても、俺の家には泊まらない。巧のところか、自宅に帰る。

 なるべく家に居たくねーるりは、義理の母親が見て見ぬ振りをするぎりぎりの時間までうちに居て、タクシーで帰る事がほとんどだった。巧も居なくて、泊まれねー事が多かったから。
 高校を卒業したら、まだ成人ではないけれど、大人扱いされる場面が増える。巧自身も、大学生からは外泊を黙認されて、やがて家を出たという経緯が有る。
 だから、るりの外泊も、許さねー訳にゃあいかないだろー……って事だ。

「確かに、そう言ったが……」

 約束を盾に取ったるりに、巧は眉を顰めた。

「でも、まだ卒業式当日だろう。今日くらいは、帰ったらどうた」

「やだ、泊まる。昨日帰って、卒業の挨拶はしたよ?また帰るなら、お父さんが絶対家に居る時にする。……だって、泊まるつもりで準備して来たんだもん」

 るりは、ちらりと荷物を見た。
 
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