この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
MILK&honey
第28章 末永く、よろしくお願い致します。
「わあ……ちっちゃい!可愛いお花!!」
手の上の、偽物みてーな鉢植えを、るりは受け取ってあちこちから眺めた。
「……これ、もしかして、薔薇……?!」
「あー……卒業式にゃあ薔薇を贈るもんだって知って、るりがスーパー行ってる間に慌てて買いに行ったんだけど……もう、これしか残って無かった。ごめんな」
「ううん!嬉しい!すっごく、嬉しい!」
「……そう?」
るりが、鉢植えを、喜んでる。
俺のこと可哀想に思ってわざと大袈裟に言ってくれてんのかって位、喜んでくれてんね……。
「だってこれ、切り花と違って、何回でも咲かせられるでしょう?」
「あー……なるほど……」
言われてみりゃあ、そっか。
そういう意味じゃあ、豪華な切り花よりちっさい鉢のが嬉しいってのも頷ける。
るりは豆粒みてーなピンクの花を見て、頬を染めて柔らかく微笑んだ。
「ずっと、一緒に居られるんだもんね……毎日お世話したり出来るのが、とっても楽しみ!」
「んじゃ……末永く、よろしくお願い致します。」
「うん!」
鉢植えもだけど、俺の事もね。
そう言ってみてーけど、言えねーや。
最初の頃に結婚結婚言えてたなぁ、ただの軽口だったからなんだなー。