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MILK&honey
第7章 遠慮しないで、ウチにおいで

るりちゃんの、味付けを心配する言葉に頷きながら、具はトマトだけの紅白スパゲティを箸でつまんで口に入れ……
「…………旨っ!?」
「美味しいですか?良かった!!」
ほっとした声が、聞こえたけども!!
思わず皿を持ち上げて、抱え込む。
「なに、これ?!なんで、こんな旨いの?!トマトと、スパゲティだけなのに!!」
「ほんとは、冷たくするんですけど……バジルとか有ると、もっと美味しいです」
「るりちゃん、すげえ……料理、上手だね……!!」
ごめん!料理出来るのかとか疑って、ごめん!!
ごめん、ほんと旨いよ!がつがつ食っちゃって、ごめん!!
「……お母さん居なくなってから、よくご飯作ってたんですけど」
「っ」
危うく、むせそうになった。
考え無しでお調子者の俺の、クソ馬鹿野郎……!!
今までの話から、なんで分かんなかったかな!
こんな事で、またるりちゃんに切ない思いをさせてしまって……
俺は、俺をぶん殴りたい。
「お父さんが再婚して、お兄ちゃんも出て行って……最近あんまり台所に立てなくなったから、光さんとご飯作れて、すごく楽しい……」
なのに、るりちゃんは、また嬉しそうに笑ってくれるから。
「……それに、美味しいって、食べて貰えたし……ものすごく、嬉しいです。」
「……そっか……」
俺はまた目をぱちぱちと、不自然に瞬きさせる事になったのだった。

