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MILK&honey
第7章 遠慮しないで、ウチにおいで

もう一人のお兄さんとでも思って……と、言おうとしたのに。
るりちゃんの目が、丸くなってる。
そりゃ、驚くよな。
お母さんと思って、って……俺って………穴が有ったら入りたい………。
「『ごめんなさーい!間違っちゃった!』」
ヤケになった俺は、知人の中で一番お母さんぽい人間を降臨させた。
「え?!」
るりちゃんの目が丸くなるどころか、可愛い口までぽかんと開いた。
よし。
これでこの場を誤魔化そう。
「『お母さんは、無いわよねーえ!お兄さんて、言おうとしたの!』」
「えっ、え」
せっかくだから、どさくさにも紛れよう。
「『遠慮しないで、もう一人のお兄ちゃんと思って頼って良いんだよ?るり。』」
「お兄ちゃん!?」
どうだ!
どさくさ紛れに、呼び捨てだ!どさくさ万歳。
「……てことで、なんかそーいうもんだと思って」
「ひかるさんっ?!」
「うん?」
「光さんって、物真似業界の人なの?!」
物真似業界……物真似だけの業界って有るのか?
「……まあ、そんな感じ?」
広い意味では、同じ業界だ。
コミックバンドじゃないんだから止めろと良く言われるが、リクエストされて披露する事も有る。
……嘘じゃない、嘘じゃ。

