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MILK&honey
第9章 ご飯にしますか?お風呂にしますか?
*
「ただいまー」
「お帰りなさい!」
帰って来たら、るりちゃんの声が迎えてくれた。
いつでもおいでと言ったけど、るりちゃんはきっちりけじめを付ける子だった。
何も言わずに、来てたりしない。
「今日行って良いですか?」とか、「夜はお家に居ますか?」とか、「お家でご飯食べますか?」とか、メッセージアプリで尋ねてくれる。
今日は、夕飯を作ってくれると言ってたっけ……と思いながら、リビングに続くドアを開けたら。
「お帰りなさい、かーさん!!」
無表情なクマのキャラクターのエプロンを制服の上に身に着けたるりちゃんが、カウンターキッチンの向こうから。
「ご飯にしますか?お風呂にしますか?」
菜箸を片手に、にこっと笑った。