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MILK&honey
第9章 ご飯にしますか?お風呂にしますか?
*
「お替わりありますから、足りなかったら言って下さいね」
「うん、ありがと」
お風呂にしますか、ご飯にしますか。
そう二択で聞かれた結果、お風呂にしないで、ご飯にした。
るりちゃんの作ってくれたご飯を、一緒に食べる。
……至福だ……。
たまに見る疚しい夢の中のるりちゃんより、断然本物の方が良い。
……や、勿論本物が三択で聞いてくれるか、一緒にお風呂って言ってくれるなら、それはそれで……
「かーさん?」
「へっ」
「お口に、合わなかったですか?」
ぼーっと妄想に耽ってしまい、箸が止まっていたせいか、心配そうにこっちを見てる。
「ううん!すごく美味しいよ、特にこのなんかのスープとか!!」
「ほんとですか?嬉しい……」
絶品だけど何で出来てるか分からないスープを掬って見せたら、ほっとした様ににっこりした。
「あ、そうだ。これ、土産……」
食事が済んで片付けも終え、一息吐いたら、思い出した。
「わあ、くず餅!!お茶淹れますね!」
るりちゃんが来る様になってふた月ほど経つうちに、いくつかの事を知った。これはそのうちの一つで、るりちゃんは懐かしい系の甘味処にある様なメニューが、意外と好きなのだ。花梨や番茶が通じる様な子だからな……。
いそいそと立ち上がって、お茶の用意をしてくれる。
ああ……可愛い……。
このまま、ずっとふたr
ピンポンピンポンピンポーン。
ドアチャイムが鳴った。
「……るりちゃん……」
「……はい……」
「お茶とくず餅、三人分お願いしていい?」
「……はい……すみません……」
ぺこりと下げたるりちゃんの頭をぽんと撫で、来客を迎え入れる為に、玄関に向かった。