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MILK&honey
第10章 彼氏が居るので、困ります。
「あのっ……私っ……」
「あ!」
「え?」
るりちゃんが何か言い掛けてたのに、ある事が気になり過ぎて、邪魔してしまった。
「ごめん、頬っぺにソース付いてる」
「えっ?え、あ」
片手で頬っぺたを触る、けど。
「あー、そっちじゃなくて」
説明しにくい場所なので、手を伸ばして指で拭って、勿体ねーからそのまま舐めた。
「うん、取れた取れた。あと、拭いとけば完璧」
使い捨てのお手拭きを一個破って、真っ赤な頬っぺを拭いてやる。るりちゃんは、くすぐったそうに片目を閉じた。
「よし、ピカピカ!完璧な美人さん!」
「すみませんっ……子供みたい……」
「や、仕方ねーって。これ、すげー汚れるよねー、旨いけど」
「うん……」
るりちゃんは上手に食べてたけど、俺のは崩壊したからな。バンズと中味がバラバラになった。口に入れば一緒だし、別に良いけど。
「今日はかーさんと一緒だから、頑張ってきれいに食べようとしたんだけど……」
……へ?
俺と居るから、あんなに一生懸命食べてくれてたの?
可愛い……可愛すぎか……!!
あんまり外食しねーんだけど。
るりちゃんが困った顔しながら頑張ってきれいに食べようとしてるのを眺めて、でも頬っぺになんか付けちゃって、それを拭いてあげられんなら、毎日でもここに来たい……。
「あ!」
「んー?どした?」
るりちゃんが、うふふっと悪戯っぽく笑った。
「かーさんも、ついてる」
「え」
「そっちじゃなくて」
両手で自分の頬っぺたを擦ったら、るりちゃんがスクールバッグからタオルハンカチを出して、鼻先を拭いてくれた。
「あー!いいよ、ハンカチ汚れちゃう!」
「大丈夫。白っぽい物だから、洗えば落ちるもん……これ……マヨネーズ?」
拭いてくれながら、不思議そうにしてる。
……ん?
白っぽい物……?
まさか。
「ごめん、洗って来るね!これ、貸して!」
「え」
るりちゃんの手からタオルハンカチを奪い取って、トイレに向った。