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MILK&honey
第11章 「彼っ、が居るので、困りますっ!」

*
「やっぱり、学校別のコースになると、難易度上がるよねー」
乗り込んだ電車で、その人は親しげに話し掛けてきた。
返事はしない。したくない。
「振り分けテスト通るなんて、凄いね。その制服、令和だろ?君みたいな子も居るんだね」
私みたいなって、何。人を勝手に評価しないで。
「家どこ?良かったら送らせて」
「……結構ですっ」
もう付いて来ないで、と思って答える。
耳の近くで、話し掛けないで。
混んでる電車だからって、体に触れて来ないで。
やだ。
気持ち悪い。
止めて欲しい。
離れたいけどそんなに隙間は空いてなくて、息を詰めて我慢する。
「あの授業の後、遅くなるでしょ?お腹空かない?」
「空きませんっ」
話してたら、次の駅に着くアナウンスが有って。
「……さよならっ!」
「あ、待って」
ドアが開くと同時に、外に出た。

