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MILK&honey
第12章 結婚したら良いんじゃね!?

   *

「巧来るから、すき焼きにしたよー!」

 材料を盛った皿を用意して、卓上コンロに鍋を乗せる。
 元々るりちゃんは、今日は肉じゃがを作ってくれるつもりだったらしい。買っといた材料も使えるし、三人で楽しく食べれるし……ってことで、今日の夕飯は急遽すき焼きに変更になった。

「……お前の家にすき焼き鍋なんて有ったか?」
「さっき買った!」

 エプロンも、食材も、鍋もコンロも、さっき買った。
 鍋は借りる事も出来たけど、すき焼き鍋は使う前にしなきゃいけない事が有るってるりちゃんに教えて貰ったから、実践も兼ねて買うことにしたのだ。

「塾無い日だからゆっくり買い物出来たし、昨日来るより良かったね?」
「ねー!昨日の店も、また行こうな!」
「……昨日……」

 俺達は、新婚さんみてーに買い物をした。端から見たら兄妹かもしれねーけど、俺の気分は新婚さんw

「肉じゃが、今度お兄ちゃんが居ない時に作るね」
「うん!野菜はそれまで取っとこうな!」
「……居ない時……」

 るりちゃんの肉じゃが……鍋一杯有っても完食しそう!

「かーさんは、すき焼きどうやって作るの?」
「へ?割り下入れて、がーっと」
「……違う作り方しても、いい?」
「違う作り方があるの?」
「うん。……でも、びっくりするかも……」
「へー!!それすっげー食いたい!!びっくりしたい!!」

 るりちゃんと一緒に、びっくりしたい。
 びっくりした!!って、一緒に笑いたい。
 ……るりちゃんは既に、俺の「びっくりしたい!」に笑っているが、それはそれだ!

「じゃあ、そうするね?」
「うん、そうして!!楽しみだなー……巧は知ってんだよね?びっくりすき焼き!」
「……一応……」
「へー……おおっ!」

 るりちゃんは鍋に火を点けると、牛の脂の塊を入れた。
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