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MILK&honey
第12章 結婚したら良いんじゃね!?

「『あら?タクちゃん、もー食べないのお?』」
「止めろ、それ。」
「お兄ちゃん、調子悪い?」
るりちゃんが、心配そうに手を止める。
巧は、苦笑した。
「昼飯が遅かっただけ。体調は普通。……後は飲んどく」
るりちゃんの頭を撫でながら、こっちを見た。
「良かったら、二人分食べてくれる?かーさん。」
「いいの?本当に、食っちゃうよ?」
「食え食え。食って背が伸びろ」
「伸びねーわ!!」
せっかくのるりちゃんのすき焼きだもんな。
巧のお言葉……の、最初の方のに甘えよう。
「あー……肉以外もすっげー旨いわー」
なんか、いつものと違うな、肉の砂糖焼き。
もしかして、るりちゃんの愛情という調味料のおかげか?!……なんてなー!!
せっせとすき焼きを食うと、るりちゃんがせっせと追加してくれる。
「かーさん、白菜も煮えたよ?」
「あ!ほんとだ、ありがと!!」
「白菜なんて、さっきから煮えてるだろ」
冷蔵庫のビールを出して飲み始めた巧が、鼻で笑った。
「さっきは、まだ煮えてなかったの!かーさんは、白菜の葉っぱじゃなくて、白いとこが好きなの!」
「うん、そうなの!」
「……ふーん……」
巧の冷たい言葉を、ばっさり叩っ切る、るりちゃん。
さすが兄妹だ。
「ふー……もう食えねー……るりちゃんのすき焼き、最高……」
「お口に合いましたか、『肉の砂糖焼き』?」
お茶を淹れながら、るりちゃんが笑う。
「合った!これから俺も、すき焼きん時は肉焼いて砂糖乗っける!!」
「そんなに、気に入ってくれたの?……嬉しい!!」
ほぼ空っぽの鍋を挟んで、顔を見合わせて笑う……
……すき焼き、万歳……!
「るり。」
「はい?」
食べ終える頃合いを、見計らっていたのか。
すき焼きから離脱していたビール男が、喋った。

