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借金のカタに妻を差し出しました
第1章 借金
電話を終えた11時前に矢那の応援がやって来た。

店内には瑞樹と、まだ入ったばかりのパート主婦が2名だけだった。

これから、お昼時の忙しい時間をこなすのには人手も足りていなかった。

先程の電話の事を考えながら、レジから外を眺める瑞樹の目にワンボックスが入って来た。

駐車場に入ったワンボックスからは、スーツを着た若い男女が店内に入るとワンボックスは走り去って行った。

男女は店内に入ると、ワンボックスが入るのを見ていた瑞樹に向かって女が訪ねた。

「あの、平河瑞樹さんでしょうか?矢那に言われて手伝いに来ました。」

唐突な事に戸惑っている瑞樹に、女は更に続けた。

「安心してください、私達はコンビニで働いた事があります。取り敢えず制服をお貸し頂ければ直ぐにお店に入りますので。」

促されるまま、瑞樹は2人をバックヤードに案内し、制服に着替えた2人は早速、店員として働き始めた。

忙しい昼時を過ぎ、日が傾きかけた頃、またワンボックスから、矢那からの応援がやって来た時。

「あの、平河さん、もう大丈夫ですよ、深夜も応援がやって来るので、今日はもう休んで下さい。」

矢那からの伝言で、夫婦はこれから、8時から17時まで入れば良いとのこと、明日、これからの契約に付いての話があることを聞いて瑞樹は、夫が寝ているアパートへと返って行った。
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