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男子校だけど!姫がいます!
第3章 さらば愛しきラーメン
♪校舎の裏〜芝生の上〜吸い込まれる空…

尾崎 豊の曲だ。

母の夏美が何度となく口ずさむのですっかり覚えてしまった。

今は放課後。
芝生の上では無いが屋上の床に寝転び、流れる雲を見ている。

越して来てまだ間もないから、気分を落ちつかせるために一人で居たい気分だ。

グランドからは「カキーン」とボールを打つバットの音と運動部員の掛け声と歓声が聞こえる。


タッタッタッタッ…ドン!

ココアは屋上で寝そべっているクーちゃんを見つけると走り寄って来た。

最後の一歩はジャンプしたのでスカートがめくれ思いっきり中身が見えた。
今の瞬間、盗撮少年団には財宝になる事を、本人は全く自覚していない。

「クーちゃん見〜つけた!」

「子供かお前は!」

「だって気がつけば教室からいなくなったから、探したのだよ……」

そう言って隣に座るココア。

それからの会話はなかった。

別にいやな空気ではない。

なんとなくボーッとしているのも楽しい。

風の音と共に流れる雲。

飛行機雲が縦に流れていく。





「クーちゃん…なんか寂しいから…膝枕してあげようか?」

「いやなこったい!」

「なんでよークーちゃんと、なんか触れていたいよー」

「いやだっつうーの!」

「いいじゃない!減るもんでないし…どうせ誰も見ていないよー」

いや…残念ながら、影から二人を覗いている人物がいた。
門脇だ…

しかも号泣している。

(なんだよ!膝枕って!いいなぁ〜オレも膝枕プリーズ!ココア君!)

とか言いつつ物陰に隠れながら、二人の会話に入り込むタイミングを計っている。







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