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人工快楽
第1章 香苗と真央
 わたしの両親は性的に酷く狂っていた。

 父親は、他人よりも多くの富と名声を得ていた霧島家の後継者である霧島祐介。

 彼はサディストを自称して憚らない、どうにもつまらない男だった。

 自分に対する世間の目を意識し過ぎるあまりに、狂っていると思われている現状に陶酔することで自分自身に箔を着け、脅し、他人よりも高尚な存在であるかのごとく見せようと必死だった男。

 その方法も、女性をSM的に犯して嬲りものにする行為に耽ることで強烈な優越感に浸るという、陳腐で下衆で馬鹿馬鹿しいものだ。

 SMと言っても名ばかりのプレイで、実際には絵に描いた教科書通りの行為なだけでしかない。

主従関係、ボンテージ、緊縛、鞭打ち、蝋燭、バイブレーター、スタンガン、針、アナル拡張・尿道拡張、性器ピアス、人体改造、浣腸、三角木馬、食糞、飲尿、精飲、羞恥、放置、露出、貼り付け、窒息、電流、奴隷売買等々。

 どれもこれも倒錯と言う名の下に中世の時代から使い古された挙句、様式美程度にしかなり得ていない行為ばかりだ。
 
 列挙するのにもウンザリしてしまう。

 断っておくと、わたしはこれらを否定しているわけではない。

 寧ろ好ましいと思っているものもある。

 列挙した以外にも、徹底的に肉体と精神を限界まで追い込んだ後のディフェクチオによる精神再構成などは、とても楽しいし愉快だ。

 とどのつまり霧島祐介のつまらないところは、 自分はそのような倒錯行為によってのみ恍惚と快楽を得ることが出来、またそれらを実行出来る権力を持つ選ばれた人間だと自惚れ、過信し、行動とそれに伴う周囲の反応を期待する俗物的思考でしかないところ。

 わたしは、彼を心の底から軽蔑している。

 至って理性的であるにもかかわらず、自己保身と自己満足のために狂気を演じているだけでしかない男。

 サディズムの立ち位置に立っていると思い込むことで自らが得た富と名声と同じように、手に入れた女を加虐してその紙切れのように薄っぺらく軽薄な支配欲を満たすだけの俗物。

 ただの小物。

 確かに偏った性的嗜好ではある。

 それでもやはり嗜好や性癖の範囲内でのものでしかなく、常軌を逸した狂気とは到底言えるものではなかった。
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