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実業家お嬢様と鈍感従者
第3章 十六歳の誕生日

「お嬢様、昨日は眠れなかったのですか?」

朝、ヘンリーはアンジェラの顔を見るなり、そう言って心配そうな顔をした。

「え……ええ? どうして分かるの?」

びっくりした彼女に、彼は肩を竦めて見せる。

「目が充血していますし、少しクマになっていらっしゃいます。何かございましたか?」

「あ……ちょっと、考え事を……ね」

好きな人の前にそんな酷い顔で立っていたことに今頃気付き、アンジェラは恥ずかしくなって俯いた。

「そうですか。私でご相談にのれることでしたら、何でも仰ってくださいませ」

あまり感情を顔に出さない彼が、アンジェラに向かって微笑する顔を見て、彼女の胸の奥が高鳴る。

(言えません……貴方への恋心の相談なんて、出来るはずがないでしょう――)

こんなに素敵な人で二十三歳という立派な大人なのだ。

今まで数多くの女性に言い寄られ、彼女の一人や二人、いない筈が無い。

しかし思っている長さならば、誰にも負けない。

こちらは伊達に十三年も片思いしているのだから!

その想いに勢いづけられた様に、アンジェラは口を開いた。

「あ……あのね、ヘンリー……」

「はい」

顔が火照って熱い。早鐘を打つ心臓が食道を刺激して、吐きそうなくらい緊張していた。

「わ、わわわわ私――!」

「お嬢様?」

ヘンリーより二十センチも低いアンジェラを覗き込もうと前かがみになった彼の額に、前髪がさらりとかかる。

いつもより色気が倍増したヘンリーに、アンジェラは一気にまくし立てた。

「きっ……今日の夕食の後話したいことがあるから私の部屋に来てくれるっ?」

「え……はい。分かりました。必ずお伺いいたします」

ヘンリーは一瞬目を瞬かせたが、直ぐポーカーフェイスに戻ってそう答えた。

(はあ……私って、ホント、女として駄目駄目だわ)



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